鉱石を砕いて岩絵の具を作ろう!販売品とどう違う?

天然の鉱石から作られる日本画の岩絵の具。
その輝きは一級品なのですがいかんせん値段が高い。
大量に岩絵の具が使いたかった私は岩絵の具の自作を試みます。
果たして自作した岩絵の具の輝きはいかほどか?そして結局安いのか?
今回は私が学生時代に自作した岩絵の具について書いていこうと思います。
岩絵の具の原石
岩絵の具ってどんな石から出来てるの?って人も多いと思うのでまずは石の種類をご紹介。
- アズライト(藍銅鉱)
- ラピスラズリ
- 辰砂
- マラカイト(孔雀石)
- タイガーアイ(虎目石)
- レッドジャスパー
- グリーンジャスパー
- アマゾナイト
などなど。磨けば宝石になるような石が材料となります。
私は東京の喜屋さんという日本画材料専門店で鉱石を買ってきました。
数年前のことなのでうろ覚えですが、辰砂は高かったか無かったか何かしらの理由で買っていなかったです。
いざ粉砕!でも…?
早速買ってきた鉱石を粉砕!しようと思い、金工の先生から臼みたいなでっかい金属の鉢と棒を借りてきました。
はじめは試しに安いレッドジャスパーあたりをガツガツ砕いていったんですが、メチャクチャ破片が飛び散ってうまくいきません!
そもそも石が固い!ものによって全然砕きやすさが違います。
しかも金属鉢が若干錆びついていたため、砕いた石が茶色っぽくなっちゃいました…。
いま思えばビニール袋に入れて砕けばよかったんですがね。
ちゃんと日本画の先生に聞かずにやるからこうなります。
粉砕機を借りてきた
手動で大量に砕いていくのはかなり大変なので、日本画の先生に相談したところ粉砕機があるとのこと。
たしか借りたのは大阪ケミカルのワンダーブレンダーという小型の粉砕機。
これに鉱石を入れて、スイッチを入れるとガガガガガガガガッ!!と一気に粉微塵にしてくれます。らっくらく〜。
フタを開けると白い粉塵が舞うくらい粉々。
粉々にしたあとは不純物を取り除いたり粒の大きさで分けるために水簸(すいひ)という作業をします。
たらいに水を張り、鉱石の粉末を入れて軽くかき混ぜます。
数十秒待って、ある程度大きめの粒が沈んだら小さい粒で濁った水だけを別のたらいに移します。
粒の沈んでいく速さの違いを利用して粒の大きさを分けていくわけです。
たらいに分け終わったら数時間待って、うわずみの水を捨てます。
何日か置いて乾燥させ、最後にふるいにかけてゴミを取り除いたら完成です。
そんなに遜色ないかな
ということで自作の岩絵の具が完成しました!
わりとキレイな緑青が採れましたね。
こんなにたくさん採れるなんて夢のよう。
自作緑青をたっぷりと使った絵がこちらになります。
売られている岩絵の具に比べて粒が不揃いでしたが、それも味があっていいじゃないですか。
まとめ
思ったより簡単に岩絵の具が作れてしまいましたね。
鉱石のお値段は忘れましたが、たしか安上がりだったと思います(汗)。
でも一番高かったアズライトは結局岩絵の具にせず原石のまま保管しちゃってますね。
こんな綺麗な石を砕いて絵にするって考えると結構覚悟がいるんですよねー。
私は好きな色が緑青なんですが、その原石である孔雀石を授業で貰える機会があったのでラッキーでした。
やろうと思えばそのへんに落ちている石も粉砕して絵の具に出来てしまいますので、今度は原石探しからやってみようかな。